人口減少に起因した人材不足が恒常的に叫ばれるようになったこの時代、今の人員(リソース)でいかに生産性を高められるかが重要となります。
そのような中、生産性を高めていく主要な要素として以前から「チームワーク」が挙げられます。
目次
なぜ色々なことを試してもチームワークが高まらないのか
「チームワーク」を高めていく方法は色々あります。
例えば、情報共有をするためのグループウェアのようなツールの導入やお互いの人となりを知るための交流やチームビルディングなどです。
色々な方法がある中で、手軽にできるものから着手していると思いますが、どれもイマイチ成果が出ていないのではないでしょうか。
それはなぜか。
「試合」をしていないからです。
どういうことかというのを、サッカーを例に簡単にご説明します。
サッカーの「試合」はゴール(点数)を多くとったチームの勝ちです。
つまり、チームは多く点を取り試合に勝つことを目指します。
試合に勝つために、全員がそれぞれのポジションでベストを尽くし、お互いがカバーし合いながら勝利を目指します。
試合中は、試合に勝つためにお互いが声掛けをしあいながら、時には点を取られないように守備をしたり、時には点を取りに行くために攻撃をします。
攻撃も守備も一人一人がばらばらに行うと試合に負けてしまいます。
だからこそ、試合に勝つために戦況に応じて各人がケースバイケースで臨機応変に連携し合いながら勝利(目標)を目指します。
試合をするから勝利を目指し、勝利を目指すからチームでワークをすることが必要となります。
ということは、「試合」をしないと本当の意味でチームでワークすることはできませんし、チームワーク力も高まらないということです。
会社における「試合」とは
決してノルマではない
ここまではサッカーの例えでお話ししてきました。
ここからは自分の働いている会社で想像してみてください。
ここでいう「試合」とは自分たちの会社だと何でしょうか。
自分(またはチーム)に与えられた達成数字的なノルマでしょうか。
それは違います。
正直、ノルマは全員が本気で達成しようと思っていないケースが大多数だからです。
つまりやらされ感でしかないので、本気でチームでワークして達成しようなんてみんな思いません。
それなのに無理やりやる気を出させてチームでワークさせるような管理職は、気持ちは分かりますが正直良い結果になることは無いと本人も分かっているはずです。
会社としても、給料やボーナス、評価などの人参をぶら下げて無理やりなチームワークを醸成しようとします。
もはや今はそんな時代ではないです。
トラブルというイベントも一つの「試合」
全員が(勝利という)同じ方向を向かい、行動する「何か」が必要です。
それが「試合」です。
この「試合」というものを会社員という枠組みの中で設定するのがなかなか難しいです。
ではここで、少し考え方を変えて思考してみましょう。
「試合」というのは言い換えると、勝利という一つの目標に向かって全員が同じ方向を向けるための、いわばイベント的なものです。
つまり、全員が同じ方向を(強制的にでも)向けるようなイベント(またはきっかけ)を作為的に作ることができれば良いのです。
果たして、そんなイベントは何があるでしょうか。
例えば、「トラブル対応」というのも全員が同じ方向を向ける一つのイベントになります。
そのトラブルの規模が大きければ大きいほど、全員が真剣に解決に向かいます。
そのときは、トラブル対応で大変かもしれませんが、振り返ると部署や係というのを超えて会社というチームでトラブル対応できていたと思える人が多いのではないでしょうか。
トラブルは良くないですが、チームを一つの方向に向かわせるには良いカンフル剤です。
チームを一つの方向に向かわせることこそ「試合」
先程はトラブルを例に出しましたが、言いたいことはチームを一つの方向に向かわせる何かが「試合」になるということです。
それは企業によって異なるでしょう。
店舗運営している企業であれば、来店客が多い「繁忙時」もその場にいる店舗全員が繁忙対応に向け、自然と全員で対応できる「試合」になります。
全員が一つの目標(目的)達成に向けて行動した結果が「チームワーク」の礎となる
毎回トラブルばかりだとなかなか大変だとは思いますが、「試合」を重ねることでチームワークが醸成されます。
「試合」を通して、その人のキャラクターやタイプが分かり興味を持ち、それが分かることで「試合」外でのコミュニケーションでより関係性を構築しようとします。
それは試合に勝ちたいから。
チームワークを良くすることが目的ではなくて、あくまで試合に勝つことが目的です。
試合に勝つためにチームワークを良くしないといけません。
順序が逆なのです。
だからこそ「試合」が重要なのです。
あなたの働いている会社における「試合」とは何でしょうか。
これを上手く設定してあげれば、強いチームが出来上がることでしょう。
それを一緒に考え、そこで働いている全員の本気を引き出し、結果的に強いチームを作っていけるような支援を仕事にしてみたいと思う、今日この頃です。
お読み頂きありがとうございます。