現在日本は人口減少、少子高齢化に起因し「人手不足」が大きな問題となっております。
どこの企業でも「人手不足」の課題はあると思います。
しかし、私個人としては正直しっくりきていません。
なぜかというと、私自身こんな疑問を持っています。
疑問
「人手不足」が本当の問題なのか
現実問題として「人手不足」はありますが、一方で従業員一人一人が能力を発揮し120%以上の力を発揮できている状態なのでしょうか。
個々人のパフォーマンスを最大限に発揮したうえで、組織として最大パフォーマンスを出せているでしょうか。
そのうえで、人材が足りないと嘆いているのでしょうか。
決してそうではないと思います。
まず考えるべきは
「人材不足」を嘆く前に「(社内の)人材活用不足」に対処するべきです。
以下の前提条件をクリアしてこそ「人材不足」を嘆けるのではないでしょうか。
前提①:「個」の目線
現状の社内各メンバーが最大限の能力を発揮できる状態(またはそれを目指している状態)
↓
前提②:「組織」目線
チームの目標に対し最大限の能力を発揮している各メンバーが協力し組織として動けている状態
つまり、従業員一人一人が最大限の能力を発揮している状態かつそれぞれがばらばらで動いているのではなく組織としてまとまって動けている状態が前提としてであるべきだと思います。
そのうえで、「人材不足」を嘆くべきです。
上の世代が抜けたから/優秀な人材が抜けたから新しく人を入れなければいけないという短絡的な考えではいけません。
人が抜けたという事象に対し現状のメンバーでどのように対応していくのか、そもそも人が抜ける前は良い状態の組織だったのか、優秀な人に依存していなかったのかなどを振り返る必要があると思います。
私自身転職を経験し、現状くすぶっている状態(社内的には活用不足な人材)であるがゆえにそこら辺のことを身を持って感じています。
実力が無いのもありますが自分自身が力を発揮できず、チームにいてもいなくても変わらない自分だからこそ思うこともあります。
今回はそれを書いていきます。
もし、自分がマネジメント側に回ることがあればその時の教訓としていきたいです。
社内メンバーを知る
まずは社内のメンバーを知ることが大切です。
たまたまではありますが、同じ会社の同じ部署で時を同じく一緒に働いているこの「ご縁」を大切にしたいですね。
そんな「ご縁」のあるメンバーと協力し合って同じ志を持って同じ熱量で仕事していきたいですよね。
そうなるには、まずメンバー一人一人に興味を持って会話していく必要があります。
最近入ったメンバーから積極的に上司含め会話していくというハードルが高いので、既存メンバーから積極的に会話(輪に入れてあげる)していくことが重要です。
ここで既存メンバーが認識しておかないといけないのが、入社メンバーよりすべてにおいて「優位性」があるということです。
なので最近入社したメンバーが最初の数ヵ月で上手く輪に入れないからといって決して見切りをつけてはいけません。
見切りをつけるのは簡単です。
それはなぜかというと、今順調に上手くいっている既存メンバー内の輪が心地よいし、自分の力も発揮できているし自己効力感もそれなりに高いので、それを新メンバーが入ることによって壊されたくないという考えが働いてしまうからです。
例えると、学校のクラスに転校生がきてクラスの中心人物が(自分の地位を脅かされそうだから)排除する的なイメージですかね。
せっかくチームに新たな戦力が加入したのに、合わないからと言って既存メンバー(主力)の個人の働きやすさが重要視されてしまいチームの総合力を底上げするための組織運営が破綻するケースです。
今の主力メンバーを重視した結果、組織力はそこでストップしいずれは後退していくフェーズに突入してしまいます。
常に変化していける組織が強いです。
ということで、最近入社したメンバーが最初の数ヵ月で上手く輪に入れないからといって見切りをつけてはいけません。
わくわくする組織ではなくわくわくする個人の集合体
新メンバーが加入することで、既存メンバーとのハレーションが一定程度生じてしまいます。
つまり、既存の主力メンバーが面白くないと感じへそを曲げてしまう可能性があるということです。
そうなると、マネージャーは焦ります。
新メンバーを入れたがために、一時的にでもチーム力が低下するからです。
本当はそれを覚悟したうえで新メンバーを入れてほしいです。
一時的にでもチーム力が落ちることを覚悟したうえで新メンバーを入れている企業は強いです。
そのうえで、チームのメンバー一人一人が「わくわく」している状態が最高の状態だと思います。
組織は個人の集合体です。
個人個人の高い自己効力感があってこそ組織はうまく回ります。
マネージャーも既存メンバーも新メンバーもそれぞれ価値観は人それぞれ違います。
それでもそれぞれがそれぞれのポジション・役割でわくわくしている状態で仕事をすることがベストです。
人によっては仕事の内容や種類は関係なく「人」重視の人もいれば、そのまた逆の人もいると思います。
みんなそれぞれです。それが普通で多様性なのかもしれません。
というと、自己効力感・わくわくをできる限り自分自身で高めていけるようにならないといけないのかなと思います。
他人のせいにしていても一向に改善しない可能性が高いです。
自分自身で高めていくためにまずは自分を知ることが大切です。
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チームの最適なフォーメーションと個人の成長
常に変化していく状態でいれるのが強い組織です。
変化していくということは、当然個人も変化が必要です。
ここでの変化というのは、単純に人が入れ替わるだけではなく、各個人が成長し続ける(変化し続ける)ことができるのが求められます。
したがって、組織として最大限総合力を発揮できる各個人の配置(フォーメーション)も常にアップデートが必要となります。
その前提のもと、以下の状態になっている組織は衰退していく兆候が出ているかもしれません。
- 主力メンバーが数年前から変わらない
- 中途入社メンバーの離職率が高い(※新卒入社メンバーは含まない)
※新卒メンバーはそこの会社が1社目なのですべてがスタンダードだと誤認し、その企業文化に染まりやすいためです。 - 突き上げが無い社風(年功序列≒入社年数序列)
個人が成長するには/成長したいと思うモチベーションになるにはどうすればよいでしょうか。
「褒められること、認められること、評価されること」、これに尽きます。
人は誰しも承認欲求があります。
承認欲求を満たせば確実にモチベーション/やる気は上がります。
ただし、これは「他社依存」になります。
褒めてくれる人がいないとモチベーションが上がらない、成長しようとは考えない人になってしまいます。
ましてや新入社員や中途社員のように、会社に入りたての人間はどちらかというと褒めるところが少ないと思います。
そんな中、小さな火(褒めるところ)を燃やし続けより大きくしてくれるような人はなかなかいないでしょう。
だから、みんな最初はモチベーションも無く我慢して頑張ります。
そして頑張り続けられた人はある程度成果を出すことができ、年齢とともにいつの間にか評価される機会が前より増えていきます。
そこでモチベーションが湧いて初めてやる気や成長しようかと考えるようになる傾向があります。
でもこれは偏った成長意欲になりかねません。
結局、もっと認めてもらいたいからという動機で(仕事の内容にはあまり興味がないけど)出世競争を頑張るという虚しい結末になります。
承認欲求が全てだと幸福感が薄れます。
したがって、他社依存ではなく自分自身でモチベーションを上げる/成長したいと思えるようにしていく方が重要で幸福感も高いです。
それはどうしていくか。
自分のモチベーションが上がること(楽しいこと)をやることです。
かなりシンプルですが、自分がやっていて楽しいとかテンションが上がることをした方が、自分なりにもっと楽しくなるように「考えたり」、「協力したり」、「学んだり」するはずです。
自分にとってそれは何なのかという話になりますが、「Will-Can-Must」と言われるフレームワークで分析してみるのも良いでしょう。
詳しいことはこちらの記事に書いていますので、興味ある方は覗いてみてください。
自分のモチベーションを他社に依存せず、自分自身でモチベーションを上げて成長できる人間が結局最強で幸福感も高いです。
そしてそんな個人が集う組織が最強です。
それぞれがそれぞれのことを認め合うことができれば鬼に金棒です。
チームメンバーそれぞれが必要な人材であるということ、誰一人不要な人はいないということを全員が共通認識を持たないといけません。
そのためには、どれだけ貢献度の低い人(仕事ができない、目立たない人)でも「その人の存在を認めてあげる」ことが重要です。
認めてあげるというのは、常にその人の頑張りを見ているということを知らせる(コミュニケーション)ことです。
こちらが参考になります。
まとめ
ということで今回何が言いたかったかというと、問題として「人材不足」も当然ありますが社内でくすぶっている「人材活用不足」を解消する方が手っ取り早いし、企業にとってもくすぶっている個人にとってもその方がWin-Winだよねということです。
まずはくすぶっている個人の方は自分でモチベーションを上げられるように、やりたいこと楽しいことにできる限り取組み、モチベーションを他社依存しないようにしましょう。
そしてマネージャーや既存の主力メンバー(いわゆる比較的自己効力感が高い方々)は今の現状メンバーで居心地が良いからと言ってこじんまりとまとまらず、組織力を高めることを意識した行動を取りましょう。
そうすると、いかにくすぶっている個人を開花させて能力を発揮させようかと考えるようになります。
それができると組織としても自分自身としてもよりステップアップできるフェーズに突入することでしょう。
ということで今日はこの辺で失礼します。
最後まで見て頂きありがとうございます。